━━ 日 本 の 医 療 が 危 な い ━━
代表世話人 鎌田實
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このままでは日本の医療はつぶれてしまう。一度崩壊すれば、受診待機者100万人といわれているイギリスのように国民は不幸になるだろう。イギリスではここ5年間で1.5倍の医療費に増額しても、医療の供給体制は回復してこない。
日本の医療もトコトン壊してしまってはいけない。土俵際の今の内に手を打たなければいけないのだ。
虫垂炎の手術は、ニューヨークは249万円、ロンドン114万円、台北64万円、ソウル51万円、日本は16位で37万円。現実に安いのである。低い医療費で医療を維持できているのは、アメリカの同規模の病院に比べれば1/6の少ないドクター数で、忙しく働き続けて、医療の崩壊を防いできたのだ。勤務医の労働時間は週64時間、研修医は92時間なんと150時間働く研修医がいた。
週の労働時間は40時間を目指している日本で、医師の労働状態は劣悪である。患者満足度を調べても、日本は32%、アメリカ72%。くやしいけど、考えてみればあたりまえである。
WHOは世界で1番いい医療と言ってくれても、国民は満足していない。いずれイギリスのように優秀な医師は外国へ出てしまうだろう。だからといって、アメリカのように市場原理に医療を任せれば、医療費はさらに、高くなり、しかも不幸な国民が増える。 GDP対比の国民医療費は最新のデーターはでは、アメリカが15%、日本が7.9%。イギリスは医療費の増額に踏みきったので、これからは、日本が先進国の中で最低になるだろう。
アメリカでは自己破産の原因の第二位が医療費の負債である。日本では医療費の支払いで破産する人はゼロではないにしても、ほとんどいない。
医療保険に入れない人が4060万人もいるアメリカのような国になっていいのか?
多民族国家をコントロールするために競争原理を持ち込まざるを得なかったアメリカをまねて日本人が幸せになれるとは思わない。気候も違う。砂漠があってドライ。日本は梅雨があってウエット。そのおかげで豊かな水の恵みがあり、この気候で何千年も生きてきた日本人のDNAはウエットである。ドライなアメリカ流の市場原理は日本人を幸せにしない。アメリカをまねてはいけない。
どうする日本の医療
国民が納得、安心できる医療システムを構築する必要がある。まず、OECD加盟国の平均値、GDP比8.4%へ国民医療費をあげること。
32兆円の医療を34兆円に二年後の医療費の改訂時に増額すること。しかも、国民負担を増加させてはいけない。経済の回復に、水をかけてはいけない。
使われないダムや高速道路や港を造る公共投資を見直すべきである。アメリカの三倍、フランスの七倍近い、異常に高い公共投資をやめる。
政治的判断ですぐにできるものもある。青森県六ヶ所村の核の再利用ための施設に、19兆円使われる予定だ。世界が、金がかかりすぎる、危険という理由で手を引いた核サイクル事業に日本だけが、一度決めたことだと言い続けて、方針を転換しない。
このお金を使えば、10年近く、国民負担は一銭も増やさずに、ガン医療や、救急医療、在宅医療など、一気に解決できる。老後も大病しても安心の国になる。そうすれば1200兆円の個人金融資産を持っている国民が、自分の人生を豊かにするためにお金を使い出す。日本経済は良くなる。経済が良くなれば、OECD6〜7位のフランス並みの10.1%の医療費に5年ほどかけて増加させる。
このとき,2013年の医療費は40兆円になる。この7年間で、総ワク性を導入して、これ以上の医療費の増額させないシステムをつくる。現在の国庫負担は8兆円。7年後に40兆円に医療費を増額させても、国庫負担は10兆円である。国の負担はわずかなのだ。良い医療を国民は望んでいる。国民が安心できるシステムをつくるのが政治の役割りだと思う。
僕ら医療の提供側も良い医療をしたいのである。本年11月5日(日)緊急シンポジウムを企画している。国民に理解してもらい、国民の共感のもとに、医療制度改革を行うべきである。新しいメッセージを全国に発信していかなくてはいけないと考えている。