介護保険施設・(仮称)地域包括支援センター
と在宅介護支援センターのあり方や課題
西元 幸雄(社会福祉法人青山里会副理事長)
制度見直しの全体的な視点として、『施設在宅の二元論の克服』という観点から@居宅での24時間365日の連続的なサービスの提供、A生活圏域で完結する、B施設などの居住環境・生活の継続、C住み替えの場所としての居住施設でのライフスタイルなどが上げられている。今回のテーマの一つである施設ケアにおいては、@在宅ケアの機能強化を図るため、これまでの施設の機能を地域に展開する(サテライト型特別養護老人ホーム展開)Aユニットケアの推進、B住居とケアの機能分離などが主な項目である。
私の法人事業所では、ケアの目的を「利用者のウェルビーイング」としており、その方法として、『ノーマライゼ―ション』の実現を理念の一つとして様々なケア原則をあげている。それは、今回の法制度の見直しの根幹である「尊厳ある介護」実現とも関連の深いものと考えている。それは、@利用者本位とCSの関係(顧客、消費者といった意味のCのみならず、クライアントのC、コミュニティのCでもあること)、AICFの考え方に添った生活機能障害の理解とケアプランの考え方、Bチームケア、C専門性の充実などである。直近の動きとしては、『地域密着型サービスの展開』としてサテライト型特別養護老人ホームと小規模多機能サービスのドッキング、更には、医療とのコンビネーションのバージョンアップを図っている。
次に、在宅介護支援センターと地域包括支援センターに関していえば、なぜ在宅介護支援センターが必要か、在宅介護支援センターとは何をするところかという説明をする。在宅介護支援センターは平成2年に設置されている。その理由は、在宅サービスの展開の必要性が昭和50年代初めに提唱されたが、あまりうまく進捗しなかった。そのわけは、@行政の縦割りとか、相談窓口が市町村などにせいぜい一箇所の福祉事務所であったことから利用者の相談窓口へのアクセスが悪かった。Aサービスの質と量が少なかったり利用者ニーズに合わなかった。B世間一般の認識が「親の介護は子供がやるべき」という意識から公的サービスが使いづらかったなどである。そこで、中学校区に一箇所の窓口設置と24時間365日の相談援助機能、そして生活の総合相談窓口として成立した。この機関は市町村の委託事業であり、市町村が責任を取ることになっている。介護保険導入まではすべてのサービスの窓口として機能していたが、居宅介護支援事業の設置に伴い、在宅介護支援センターは、「介護保険サービスの調整」以外の仕事をすることとなった。従って、具体的な相談支援の課題として、高齢者の権利擁護、虐待防止、孤独な高齢者の見守り対応、痴呆の早期発見早期治療対応の拠点、社会参加が困難な人の対応、介護に近づきにくい人の対応など、様々な生活機能障害への対応が要求されている。制度の見直しでは、ケアマネジメントの課題も大きい。とりわけ包括的なサービス調整機能や在宅での医療と介護の連携作業については大きな課題である。在宅介護支援センターの機能としてはこのケアマネジャーの育成、支援もその機能に含まれる。今回新しい制度には仮称地域包括支援センターの構想が示されているが、介護予防を中心とした、サービス展開がこれまでの在宅介護支援センター機能を更に強化される形で提案されている。介護予防サービスの充実は必要であるが、現状ですでに8700箇所設置された在宅介護支援センターとの兼ね合いをどうして行くのかは、市町村の対応もさることながら厚労省や在宅介護支援センター関係者の協議、そして医療、介護の現場が地域のケア力向上のために何が最良かといった議論を高めるべきであろう。
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