介護予防を考える 〜NPO(地域活動)の現場から〜
NPO法人 地域福祉サポートちた代表 松下典子
介護の社会化により福祉サービスを契約によって利用することがようやく定着し、在宅福祉の考えや少子高齢長寿社会の具体的人口動態による量も予測できるようになってきた。そんな実態から来年度の制度の見直しによる新しい「介護予防」のプランが出てきた。その見えている内容から「介護とは?」「介護予防とは?」改めて考えさせられ問い直す機会を得た。
介護の社会化は、生活文化が急速に変化発展する中で、一人ひとりが尊厳ある暮らしに必要なサービスとして、また選べる制度として始まった。新しい日本の生活文化、暮らし方そのものにどんな人生設計がもてるのか?この「介護予防」を始めサービスの使い方によって尊厳のもてる福祉社会を築くことが出来るのかどうか市民に委ねられている。一方、その変化のスードに対応出来ない既存の仕組みや介護の問題は個別的で複雑になってきている。制度ありきのサービスにならないもう一つの視点、NPO、市民の立場で予防サービスを考え「何が本当に必要なのか」市民の意思として示していきたいと思う。
1990年から始まった、知多半島の市民のたすけあい活動は、動機こそそれぞれ違いはあったが
“困ったときの助け合い”と「暮らしの必要」から、また「地域の問題解決」として制度より一足先に市民自ら創り出した在宅サービスの現場とそのネットワークがある。モデルやマニュアルがあったわけでもなく“ほっとけない”“何とかしたい”という思いと“必要”が小さな仕事を生み出し形になりシステムとなってきた。そしてこの活動プロセスが市民の主体的自立意識を高め、人のつながることの安心、楽しさを再発見する現場になってきている。このたすけあい活動から予防サービスよりコミュニケーション意欲を向上させる環境づくりが何よりも予防効果があると実感してきた。
さらに社会につながり役立つ存在意識が生活意欲と心身機能を向上させていることをかかわる人たちが実感してきている。NPOが生活者、利用者としてまた事業者双方の立場から言える「介護の捉え方」また、今回の「予防」の考え方である。また、予防は個人の意識に連動するものであり、個人の暮らす環境、価値観が大きく影響する。見直しから創られる包括支援事業そのものもやってみないとわからないとはいえその役割も気がかりである。生きる命、暮らしの支えあいであり、誰もが住みなれた地域で加齢と共に老いていく時点の必要な生活保障であってほしい。また、生涯、社会に役立つ存在として、生きがいと意欲の持てる環境こそどんな予防サービスよりも個人にとって介護予防になることを強調したい。
福祉制度の「措置から契約」を核に、国民の根本的意識改革とその啓発、教育の機会が必要に思う。それは知多半島の多くのNPOが長年の実践から体感し学んできた。一人になっても一人でない地域、人とつながっている、気にかけている人がいる地域、障害があっても、年を重ね終わりの住み家としたい人が安心できる地域づくり人づくりの実験実証現場でもある。この地域に根付いたNPOの活動のプロセスそのものが最大の予防効果と市民教育につながると考える。
NPOが予防につながる実践は地域資源をつなぎ地域のニーズ、問題解決型コミュニティーサービスハウス(制度だけでない小規模多機能施設=居場所)の拠点づくりと地域の空間整備、機能整備であり大いにその仕掛けをしていきたい。そして介護予防という言葉のいらない生涯現役、元気な地域づくり、まちづくりを目指したい。
