初期研修医1年目
橋本 梨佳子(佐久総合病院)
私が研修医となって、はや1年が過ぎようとしています。私達同期一同は、マッチング制度・初期臨床研修義務化ともに導入という、波乱な制度改革の波にもまれながらこの数年間を過ごしてきました。以下、マッチングを経験して感じた事・研修医として思うことなど、お話させて頂こうと思います。
私が医学部5年生頃マッチングが確定したらしいという情報が回り始め、まず「マッチングとは何ぞや」といった戸惑いと困惑が学生を襲いました。そして、マッチングにのるにしても、どの様な病院を見学すれば良いのか全く分かりませんでした。それは、今も多くの学生さん達が悩んでいらっしゃる事でしょう。偉い先生方は、今や情報化の時代だからホームページやメーリングリストを見て、色々な病院の情報を得たら良いとおっしゃいます。しかし、我々学生だって情報化社会で生きているからこそ知っているのです。ホームページを信じてはいけない事を・・・。
つまりは、どんなに魅力的な事が書いてあっても、実際見学しなければならないのです。さらに、事実見学していない学生は採用しないと公言している病院もありました。私は、宮崎医科大学出身です。宮崎県は、九州は南の「陸の孤島」と言われる、それは田舎で交通の便の悪い所です。どこに行くにも、必ず飛行機です。都会の学生達は自宅を拠点に有名病院をいくつも見学できるでしょう。
しかし、私のような田舎ものは大金を使って、頑張っても2つがせいぜいと言う所なのです。現実佐久病院は見学1週間が義務でしたので、なかなか他の病院まで見学できませんでした。まず、私はマッチング制度がいかに田舎の学生にとって不利であったかを知って頂きたく思っております。ならば、地元の病院を受ければよいと思われるかもしれません。
しかし研修病院の数や・数少ない実績のある病院は地方と都市部ではかなり不均等に分布しています。さらに、自分の求める病院が近くにないというのは、よくあることです。また、マッチングであるからこそ一部病院への人気が集中してしまっており、いくつもの病院を受けなくてはならないという悪循環も生まれてしまいました。病院見学に費やす時間とお金の負担。これは、今後の医学生のためにもきちんと検討して頂きたい問題として、ここに提示させて頂きます。次に、学生の大きなストレスについてです。病院見学や受験の際、病院事務の方と連絡をかわす事になります。病院によっては、事務の方からとてもストレスな扱いを受ける事があり、これは学生にはつらいものです。病院によって学生受け入れに温度差があり、その結果この様な事態が発生しているのでしょう。さらに、情報が錯綜してしまう事による混乱もありました。本当に知りたい情報をどのように入手すればよいか。誰が答えてくれるのかといった事です。マッチングをスムーズに進めるためにも、これらは早急に改善していただきたいと思っております。
最後に、これから研修医になられる方へ私が感じている事をお伝えしたいと思います。初期臨床研修医として、課題は山積みなのが現状です。プログラムの難しさや指導医との関係・研修医としてのレベル設定とその評価・初期研修終了後の進路など上げ始めればきりがありません。しかし、これについてはどの病院も同じであるといってもよいと思います。しかし、これらを放置するのではなく、重要なのは、研修医同士や研修医と病院・その指導医が常に検討改良を重ねていく事で乗り越えていけるものでもあると思います。そして、そのような現状だからこそ、医学生はさらに何を見て病院を決めていけばよいか混乱してしまいます。ただ、私自身経験して思う事は、学生時代に見た研修医の姿が一年後の自分だと思ってもらえばよいのではないかと言うことです。情報に振り回されず、自分のみた研修医の姿を信じ、その研修医自体がその病院の臨床研修制度であることを理解して頂ければ幸いです。
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